フラットに開く小さなノートを手縫いするにはどんな材料が必要?
バラの紙から小さなノートを作るには、まず紙の目が背と平行になっていて綺麗に折れるかを確認します。その上で、扱いやすい枚数に折った紙の束、やや厚手でしなやかな表紙、製本用の針に無理なく通る糸を用意し、3つ穴のパンフレット・ステッチで綴じます。このシンプルな手縫いの構造は、二つ折りにした1つの折丁(おりちょう)に適しており、ステッチの施された中央を起点に開きます。どれだけ心地よく開くかは、選ぶ材料と折った束の厚みによって決まります。
まずはページの束に合った綴じ方を選ぶ
パンフレット・ステッチは、二つ折りにした1つの折丁(シグネチャーとも呼ばれます)を二つ折りの表紙の内側に綴じ合わせる手法です。針と糸だけで縫うことができ、中央の折り目に沿って綴じるため、小さな小冊子を作る際の実用的な最初の選択肢となります。アメリカ製本博物館(American Bookbinders Museum)は、これを1折のZINE(ジン)やパンフレット向けの製本法として紹介する一方で、1つの折丁であるため、特に紙が厚い場合には綴じられるページ数に限界があることも指摘しています。アメリカ製本博物館:“Saturday’s Bookbinding Tutorial”
この制限は、バラの紙から作り始める際に重要な意味を持ちます。このステッチは、折っていない平らな紙の束をそのまま縫い合わせるものではないからです。紙を半分に折って重ね合わせ、共通の折り目を通して縫っていきます。ノートに多くのページ数や通常よりも厚い紙、あるいは複数の独立した折丁が必要な場合は、無理に1つのパンフレット・ステッチに過剰な束を詰め込むのではなく、多折(マルチセクション)の手法を検討すべきサインだと捉えてください。同博物館でも、より本格的な本向けに支持体(テープなど)を使って複数の折丁を縫い合わせる方法と、この1折のパンフレット・ステッチを区別しています。
コンパクトなノートの場合、折り目の中央に1つ、両端付近にそれぞれ1つの穴をあける「3つ穴ステッチ」が扱いやすい基本レイアウトになります。イリノイ大学図書館のパンフレット製作アクティビティでも3つ穴が採用されており、材料として数枚の紙、糸、針、定規、そして選択肢として表紙用の厚紙や目打ちが挙げられています。その手順では、印を付けて穴をあける前に、用紙と表紙を1つの折った束にセットします。イリノイ大学図書館:“Pamphlet Bindings: A History & DIY Activity”
折る方向を決める前に紙の「目」を確認する
紙の目(紙目)とは、多くの機械抄き紙において繊維が一定の方向に強く揃っている向きのことです。コーネル大学図書館の保存修復チュートリアルによると、機械抄き紙にはこの繊維の配向があり、目に逆らって折ると波打ったり、不均一な折り目ができたりすることがあります。実践的な確認方法としては、紙を両方向に優しく曲げてみることです。よりスムーズに曲がる方向が紙の目を示しています。破いて確認する方法でも目に沿う方が綺麗に破れやすいですが、端切れを曲げてみる方が紙を無駄にしません。コーネル大学図書館:“Paper”
ページを裁断したり折ったりする前に、予備の紙でテストし、紙目の方向に軽く印を付けておきましょう。ノートの天(上)から地(下)に向かって、背の折り目と平行に目が通るように用紙を揃えます。表紙用の用紙についても同様の確認を行ってください。コーネル大学の資料でも、厚紙やフォルダ用紙にも紙目が存在するため、本文の紙が扱いやすくても表紙が折り曲げに反発する場合があると指摘されています。異なる種類の紙が混ざっていてすべての紙目を揃えられない場合は、まず小さな折りのダミーを作って、折り目が波打ったり反発したりしないか確かめてください。
紙の厚みに応じて枚数を調整する
初めて小さなパンフレットを作るなら、まずは数枚から始めて試し折りをしてみましょう。イリノイ大学のアクティビティでは、プロジェクトの目安として2〜6枚の紙を使用していますが、これは決して万能な規定枚数ではありません。アメリカ製本博物館も、紙が厚くなるほど1つの折丁に収められる実用的なページ数は減ると警告しています。この2つのポイントは、「平らな紙の枚数だけでなく、重ねて折った状態を見て判断する」という有益な基準を教えてくれます。
使う予定の紙を重ねて一度二つ折りにし、外側に表紙を当てて閉じてみます。もし内側のページが大きくたわんだり、折り目が分厚く膨らんだり、表紙が折丁になじまずに跳ね返って開いてしまうようなら、枚数を減らすか、より薄い紙を選んでください。これは数値化された厚さ制限というよりも、手で触れて確かめる判断材料です。用紙の斤量や連量だけでは、実際の折り目でその紙がどれくらい硬く感じるかまでは把握できないからです。どの見開きも無理なくフラットに開くノートにするには、折丁の厚みを控えめにし、使用する紙を決める前に必ずサンプルを作ってみてください。
本文と一緒に折れる表紙を選ぶ
表紙用の少し厚手の紙や薄めのカード紙を1枚使い、本文の折丁を包むように折ります。イリノイ大学の資料でも、オプションの外層として表紙用紙を明記しており、作例ではその表紙を中の用紙と一緒に折っています。本文用紙より少しだけ厚い表紙を使うことで、同じ縫い目を共有しながら、保護用の外装としての役割を持たせることができます。この小さくシンプルな構造では、硬い厚紙(ハードカバー用のボール紙など)から始めるのは避けてください。折丁と同じようには折り曲げられず、別の表紙構造が必要になってしまうためです。
表紙にする紙の端切れを目的の方向に折ってテストしてみましょう。ひび割れたり、ノートを無理に押し開いてしまうほどの反発がなく、しっかりと折り目がつくものが理想です。本文用紙と同様に、表紙の紙目も必ず確認してください。背に対して紙目が直交している場合は、別の紙を探すか、取り都合を変えるか、あるいは折り目の収まりが悪くなることを受け入れる必要があります。ここでは、単に坪量(GSM)の数字だけで選ぶよりも、向きと実際の紙の折り曲げに対する挙動を確認する方がずっと役に立ちます。
糸と針は相性を考えてセットで選ぶ
小さな製本では、あけた穴を無駄に広げたり結び目が大きくなりすぎたりせず、スムーズに穴を通せる糸が必要です。アイオワ大学図書館は、パンフレット綴じの手順の中で製本用の針と麻糸を挙げており、5つ穴の作例に対して背の長さの約2.5倍の糸を使用することを見積もっています。これは3つ穴で作る際にも役立つ目安ですが、作業のしやすさや結びやすさを考慮して少し長めに残しておくと安心です。アイオワ大学図書館:“Pamphlet Binding”
ロードアイランド大学図書館テクニカルサービスの制作手順書では、麻糸と蜜蝋(ビーズワックス)が指定されており、蝋引きをすることで糸が穴を通りやすくなり、結びやすくなると説明されています。ロードアイランド大学図書館テクニカルサービス:“Pamphlet Binding” 個人用のノートなら、製本用の麻糸が扱いやすく無難な選択肢です。折った端切れを使って、糸と針を一緒にテストしてみてください。針穴に糸が無理なく通り、糸を通した針が裂けたり引っかかったりすることなく、あけた穴をスムーズに抜ける必要があります。先が丸まった製本用の針は、あらかじめ穴をあけておく作業において、先の尖った縫い針よりもコントロールしやすい場合があります。蝋引きは必須ではありませんが、使用する場合は、糸が蝋で固まりすぎないよう、軽く1〜2回滑らせて扱いやすくする程度で十分です。
縫い始める前に材料の最終チェックを行う
実際に使用する用紙と表紙を並べ、以下のポイントを順番に確認します:
紙目:すべての機械抄き紙と表紙の目が、背と平行になっていること。端切れを両方向に曲げてテストします。
折丁:折った束を閉じたときに、背が極端に盛り上がったり、強く跳ね返って開いたりしないこと。そうなる場合は枚数を減らします。
表紙:しなやかで少し厚めの1枚の紙が折丁を包み込み、折り目を共有できていること。
糸と針:糸が針穴に通り、試しあけした穴を過度な抵抗なく通ること。縫って結ぶのに十分な長さを確保しておきます。
綴じ方の計画:小さな1つの折丁が、3つ穴パンフレット・ステッチに適していること。厚みが増す場合や複数の折丁になる場合は、別の綴じ方を検討します。
これらのチェックをクリアしたら、折丁と表紙を重ねて折り、折り目の中央と等間隔に配置した両端の計3か所に印を付け、目打ちなどの扱いやすい穴あけ道具で重ねた紙を貫通させます。イリノイ大学のチュートリアルでは、3つ穴を通す順序が解説されています。中央の穴から刺し始め、両端の穴を順番に通って中央に戻り、両端の糸を結びます。縫い進めながら緩みを取っていきますが、折り目が歪むほどきつく締めすぎないようにしてください。イリノイ大学図書館:“Pamphlet Bindings: A History & DIY Activity”
