手彫り消しゴムはんこに版画インクを均一にローラーでのせる方法
手彫りの消しゴムはんこに均一にインクをのせるには、まず滑らかで凹凸のない非吸収性の表面で少量の版画インクをローラーで転がし、薄く均一な膜を作ってブレイヤー(インクローラー)になじませます。次に、はんこの凸部分の上を軽い力で重ねるように転がし、はんこの向きを変えたり方向を変えたりしながら端までインクを行き渡らせます。印刷する前に表面を確認してください。彫り込んだ溝にはインクが入らず、凸部の絵柄に均一にインクがのっている状態が理想です。一度に厚塗りするよりも、薄い層を重ねるほうがコントロールしやすくなります。
適切な道具を揃える
印刷する紙などに適した凸版用または版画用インク、ゴム製ブレイヤー、ガラスやアクリルなどの滑らかなインク練り板、そして試し刷り用の試し紙を用意します。彫り終えたはんこを、安定した平らな面に置きます。持ち手がついているはんこや、裏面が広くて平らなはんこは、ローラーを転がす際にもブレにくく安定します。
ニューヨーク州立博物館の凸版印刷ガイドでは、インクを伸ばすためにガラス板などの平らで滑らかな非吸収性の表面を推奨しています。Speedball社は、ブレイヤーを版に均一なインクの層を塗布するための道具として説明しており、その案内ではブレイヤーに軟質ゴムと硬質ゴムがあり、版やインクによって適したものが異なるとも述べています。インクやブレイヤーのメーカーが特定の組み合わせを指定している場合は、その指示に従ってください。(New York State Museum, “Relief Printing and the Works of Frank C. Eckmair”、Speedball, “Block Printing Supplies, Ink & More”)
作業を始める前に、インク練り板とブレイヤーをきれいに拭いて乾かしておきます。ホコリ、乾いたインク、細かな繊維などが残っていると、均一なインク膜の邪魔になります。手帳のページや作品本番に押す前に、最初の転写状態を確認できるよう、手元に試し紙を少し用意しておきましょう。
プレートの上に少量のインクを伸ばす
プレートの上にインクをほんの少し絞り出すか、置きます。必要だと思う量よりも少なめから始めてください。少し足すのは簡単ですが、インクだまりが大きすぎると均一に伸ばすのに時間がかかります。一定のストロークでブレイヤーをインクの上で転がし、さらにプレート上を行き来させて薄く均一な帯状に広げます。
ストロークごとにブレイヤーを一度持ち上げ、時々方向を変えながら、ローラーの幅全体にインクを行き渡らせます。目指すのは、プレートとローラーの両方に均一な膜ができる状態であり、ローラーの端にインクが分厚く溜まる状態ではありません。版画家のHolly Hollon氏のステップ解説でも同様に、ガラスやアクリルの上で薄く均一な帯ができ、ブレイヤーに薄い膜がのるまでインクを伸ばす手順が説明されています。(DIY Series: Blockprinting)
厳格なルールとしてではなく、実用的なチェック基準として「音」と「見た目」を活用しましょう。ローラーは滑らかに動き、インク膜は水っぽく筋が立つのではなく、均一に見える必要があります。インクは種類によって異なるため、決まった質感や音だけに頼るよりも、パッケージの指示に従い、試し刷りで確認する方が確実です。
凸部のデザインにインクをのせる
はんこが滑らない場所に置きます。ブレイヤーにインクを取り、凸部の表面を軽くなでるように転がします。1回転がすごとにローラーを持ち上げ、元の端に戻してから再び転がします。彫った溝にインクが押し込まれてしまうような強い力は加えないでください。
はんこを回転させたり、転がす方向を変えたりして、デザイン全体をカバーします。小さめのはんこなら、横方向に1回、次に縦方向に1回転がすだけで十分な場合もあります。大きなデザインの場合は、少しずつ重ね合わせるように転がし、角や細い凸部のディテールにも注意を払います。必要に応じてプレートからインクを補充しますが、毎回薄い膜を取るようにしてください。
はんこの一部でインクのつきが薄い箇所がある場合は、一度に力を入れて解決しようとせず、もう一度軽く転がして重ねます。徐々にインクをのせていくことで、細かな彫り目を埋めることなく、凸部にインクがのった段階で的確に止めることができます。この方法は、彫っていない部分に滑らかで均一なインク層を作り、インクが多すぎると細い線がつぶれ、少なすぎると色や鮮明さが損なわれるという同博物館の指示とも一致しています。(New York State Museum, “Relief Printing and the Works of Frank C. Eckmair”)
印刷前にはんこを確認する
はんこを斜めから低い角度で見通してみてください。凸部の絵柄全体にムラなくインクがのり、乾いた隙間が目立たない状態が適切です。彫り下げた溝はしっかり見えており、インクがほとんど入っていない状態を保ちます。表面全体がテカテカして見えたり、細い彫り溝にインクが橋渡しのようにかぶさっていたりする場合は、インクが厚すぎる可能性があります。
効果的な確認方法は、試し紙への試し刷りです。紙をはんこに対してしっかりと押し当て、ずれないようにまっすぐ持ち上げます。かすれ、輪郭のにじみ、線のつぶれがないかを点検してください。紙の質感やかける圧力も写り方に影響するため、インクの見た目の色だけで判断するよりも、1回の試し刷りの方が確実な目安になります。
インク付けでよくあるトラブルの解決法
印影にかすれた部分がある場合は、ブレイヤー自体に均一にインクがついているか、はんこの端までしっかりローラーが届いているかを確認してください。プレートに少量のインクを足して再度伸ばし、はんこにもう一度薄くインクをのせます。はんこに均一にインクがのっていた場合は、転写時の圧力が不均一だった可能性もあるため、やみくもにインクを足さないようにしましょう。
細かい部分がつぶれたり、印刷された輪郭が重くぼてっとしたりする場合は、はんことプレートから余分なインクを取り除き、より薄いインク膜からやり直してください。より軽い力で転がし、転がす回数も減らします。博物館のガイドでも警告されている通り、余分なインクは細い線をつぶしてしまうため、何度も強く転がすと仕上がりが良くなるどころか悪化することがあります。
均一にインクがのっているのに印影にムラがある場合は、印刷(プレス)工程を個別に確認してください。紙とはんこがずれないように保ち、デザイン全体に均等に圧力をかけます。Speedball社は、均一な転写のために圧力をかける道具としてバレンを挙げています。手作業での印刷についても、博物館のガイドでは同様に紙全体へ均等でしっかりとした圧力をかけることを推奨しています。(Speedball, “Block Printing Supplies, Ink & More”、New York State Museum, “Relief Printing and the Works of Frank C. Eckmair”)
2枚目以降も同じクオリティを保つ
手帳のページやカードなどを数枚続けて刷る場合でも、「まだインクが残っているだろう」と思い込まず、刷るたびに毎回インクを付け直してください。毎回同じように優しく転がす手順を守り、刷り上がりをその都度見比べます。はんこの写りにムラが出始めたら、インクメーカーの指示に従ってはんこを確認・清掃してから作業を続けてください。
作業が終わったら、使用したインクに応じた方法でブレイヤー、練り板、はんこを速やかに洗浄します。これにより、乾燥したインクの残りかすによって次回ローラーのインクのりが変わってしまうのを防ぎます。基本のリズムはシンプルです。「薄い膜を伸ばし、コントロールしながら軽く転がしてのせ、凸面を確認し、本番の前に試し刷りをする」。これを守れば美しい仕上がりが得られます。
