グループイベントでパズルゲームを実施する前にテストセッションを行う方法
協力型パズルゲームをグループイベントに導入する前に、ゲーム制作に関わっていない少人数のグループで一度テストプレイを実施しましょう。プレイヤーへのブリーフィング、ルール説明、タイム計測、計画通りのヒント提示、備品の初期状態へのリセットなど、イベント本番の形式をそのままリハーサルします。プレイヤーがどこで立ち止まったか、手がかりが意図とは異なって解釈されていないかを観察してください。その記録をもとに、ゲストが来場する前に、わかりにくい指示、進行ペースの問題、小道具や設営の不具合を解消しておきましょう。
テストで検証すべき課題を定める
テストセッションは、具体的な改善につながる問いへの答えが得られるときに最も効果を発揮します。イベント用ゲームなら、「初参加のグループが目的を理解し、5分以内に開始できるか」「ブリーフィングとまとめを含めて、謎解きの一連の流れが30分の枠に収まるか」といった具体的な問いを立てましょう。体験のあらゆる側面を一度に評価しようとするのは避けてください。
主な焦点を1点に絞り、観察可能な指標をいくつかメモします。オープニングを検証するなら、プレイヤーが触れてよい物や達成すべき目標を把握できているかを観察します。ペース配分を検証するなら、各謎解きの開始・終了時刻、ヒントが必要になったタイミング、役割がなく手持ち無沙汰になっている人がいないかを記録します。プレイテスト計画は、観察結果を改善の意思決定に結びつけるものであるべきです。参加者の行動を記録することは、漠然とした評価点だけを見るよりもはるかに有益な改善情報をもたらします。Tabletop Maker Labのプレイテスト計画ガイド(英語)
本番に近い参加者層を集める
謎をまだ見たことがなく、答えも知らない人にテストプレイを依頼してください。公開イベントの場合は、可能な限り、想定しているグループの人数や協力型ゲームへの習熟度に合わせて参加者を集めましょう。パズル愛好家グループと初心者グループとでは、つまずくポイントが異なる場合があるため、誰がテストに参加し、どのような経験を持っているかを記録しておきます。1回のセッションで得られるのはヒントであり、本番のすべてのグループが同じ反応を示すとは限らない点に留意してください。
基本ルールをまだ調整中の場合は、ガイデッドテスト(誘導型テスト)を実施します。イベント本番と同じ方法でルールを説明し、グループの様子を観察します。口頭での説明を一切行わず、プレイヤーが書面の説明書だけを頼りに進めるブラインドテストは、「説明書と備品だけでゲームの進め方を自力で理解できるか」という別の課題を検証するためのものです。BackerKitによるガイデッド、ローカル、ブラインドプレイテストの概要(英語)では、これらの段階の違いが解説されています。イベントのリハーサルでは、実際のプレイヤー体験と一致する形式を採用しましょう。
イベント本番と同じ条件でリハーサルを行う
本番で使用予定のテーブル、印刷した手がかり、小道具、タイマー、座席配置をそのままセッティングします。予定しているグループの人数、制限時間、司会用スクリプトも本番通りに用いてください。本番の会場が騒がしかったり混雑したりする場合は、リハーサルでも可能な限りその状況を再現します。静かなテーブルの上なら簡単に見つけられる手がかりでも、会話が飛び交う場所やスペースが限られた環境では見落とされる可能性があります。
プレイ開始前に、すべてのコンポーネントが揃っており、初期配置に正しく置かれているかを確認してください。暗号、記入式の回答、リセット作業が想定通りに機能するかを確かめます。目標、セットアップ方法、解答手順、ヒントの文言、終了時の案内をまとめた簡潔なファシリテーターシートを手元に用意しておきましょう。ゲームを複数のグループで連続して行う場合は、リセットの手順を1回練習しておきます。手がかりの配置ミスや補充忘れがあると、次のグループのプレイ体験が損なわれる恐れがあります。教育用脱出ゲームの設計に関する研究でも、パズルのピース単体から全体の流れや所要時間を正確に見積もることは難しいため、プレイ可能なプロトタイプとファシリテーター用手順・リセット手順の両方をテストすることが推奨されています。Room2Educ8フレームワーク(英語)
誘導せずにセッションを進行・観察する
イベント本番で使用予定の導入説明を行い、その後の選択はプレイヤー自身に任せます。ガイデッドテスト中も、質問への回答は本番の進行役と同じ範囲にとどめてください。ルールが不明瞭だった場合、その場で即座に指示を手直しして教えるのではなく、質問内容と自身の回答をメモしておきましょう。計画されたヒントシステムの一環である場合を除き、手がかりを指し示したり、パズルの文面を言い換えたり、次の行動を促したりすることは避けてください。
各パズルの開始・終了時刻、繰り返された行動、ルールに関する質問、見落とされた備品、ヒントの要請、想定された解答から逸れる妥当な解釈など、客観的に観察できる詳細を記録します。「何が起きたか」という客観的事実と、「なぜそうなったか」という考察は切り離して管理してください。例えば、「グループが地図のシンボルを暗号として2回試した」は客観的な観察ですが、「地図がわかりにくすぎる」は検証が必要な仮説です。脱出ゲームのデザイナーも、論理的でありながら意図していない解答ルートを記録し、視覚的な修正後に再テストすることの重要性を述べています。画像や音声を追加するだけでも、手がかりの読み取られ方は変化するためです。Society of Curiositiesのプレイテストプロセス(英語)
ヒントの計画とエンディングをテストする
プレイヤーがどのように支援を要請できるか、進行役が何と答えるかを事前に決めておきます。注意を向け直す控えめなヒントから始め、それでも詰まっている場合はより明確なヒントを出すなど、段階的に用意しましょう。リハーサル中も、本番で適用するルールと同じ方針を適用します。プレイヤーが質問できることを把握していたか、ヒントによって進行を再開できたか、進行役がその場で言い回しを即興で考えなければならなかったかをメモしてください。一定時間ごとにヒントを出す方式をとる場合は、直感だけで間隔を決めず、実際のパズルのペースに合わせてその時間間隔を検証しましょう。
エンディングの検証も不可欠です。目標を達成した瞬間がプレイヤーに伝わるか、そして進行役がイベントのスケジュール内にアクティビティを締めくくれるかを確認します。ゲームにストーリーがある場合は、最後の指示や謎解きの結末が直前の行動と明確に結びついているかを確かめてください。謎が解けただけで自然と満足のいく結末になると思い込んではいけません。体験型やテーブルトップ型の脱出ゲームデザイナーも、オープニング、ペース配分、ストーリー、エンディングがプレイヤーにどう伝わるかを重点的にテストしていると報告しています。Society of Curiosities(英語)
振り返りを行い、改善点を選定して再テストする
セッション終了後は、こちらの意図を解説する前に、短く中立的な質問を投げかけてみましょう。「最初に迷ったのはどこですか?」「複数の解釈ができてしまう指示はありましたか?」「助けを求めたタイミングと、そのヒントに期待していた内容は?」「予想以上に時間がかかった箇所はどこですか?」会話がゲームデザインの弁明にならないように気を配り、プレイヤー自身の言葉で考えを語ってもらいます。
メモは、指示やルール、手がかりの解釈、ペース配分、物理的な備品、ヒントの出し方、リセット作業など、実務的なカテゴリに分類します。指示の欠落や正常に機能しない小道具など、イベント本番で最もリスクの高い問題から優先的に修正してください。可能であれば、相互に関連する複数の要素を一度に変更するのは避けましょう。変更が多すぎると、次のセッションでどの修正が効果的だったのか判断できなくなります。その後、修正したセクションを再度プレイするか、修正によって後半のパズルや全体の所要時間に影響が出る可能性がある場合は、セッション全体をもう一度実施します。たった1回のテストで普遍的なクリアタイムを割り出したり、すべてのグループで成功することを証明したりはできません。しかし、具体的な問題を浮き彫りにし、次に何を検証すべきかを判断する強力な手がかりになります。
