長く続く関係で大きく意見が分かれたとき、二人はどう決めればよいか
二人の生活に関わる大きな計画で意見が分かれたら、まず「今日は何をどこまで決めるのか」をそろえましょう。関心を持って調べることと、生活を変えることは別の決定です。その後に必要な行動と担当を具体的にし、各自が引き受ける範囲を確認します。話し合いを続ける意思が一致していても、計画の実行に合意したとは限りません。
一回の話し合いで決める範囲を限る
一人に別の街で働く機会があり、一緒に引っ越したいと考えている。もう一人は、今いる場所で始めた活動を続けたい。以下は説明のための仮の場面です。最初は新しい仕事の条件を調べるかどうかだけを話してもかまいません。情報を集める、知人に予定を伝える、実際に住まいを変える、という行動は同じではありません。
ハーバードの交渉プログラムは、話し合いの進め方を先に確認するよう勧めています。二人なら「今日は調べる項目を決め、引っ越しは回答を見てから改めて話す」と言えます。長期的な帰省の予定や、共同の時間を大きく使う活動にも応用できます。ただし、望む暮らしそのものが異なる場合、小さく段階を分ければ必ず一致するわけではありません。
二人がそれぞれ普通の平日を書いてくる
新しい場所で過ごす理想の休日ではなく、普通の平日を一人ずつ考えます。何時に家を出て、今の用事をいつ済ませ、自分の活動をどの時間に続けるのか。連絡や手配に使う時間も含めます。相手の一日を代わりに決めず、本人が説明できる状態で持ち寄ることが大切です。
内閣府の「○○家作戦会議」は、時間の使い方や家事分担を見比べる道具です。この具体的な方法を使えば、片方は通勤だけが変わり、もう片方は一週間全体の組み直しが必要、といった違いを確認できます。「二人とも忙しくなる」で済ませず、荷物の整理や連絡を誰がするつもりなのかも確かめてください。
調査の担当者が決定者になるわけではない
必要な情報は、確認先がわかる質問にして分担します。仕事の機会を得た人は勤務地と開始日を、もう一人は現在の活動を別の場所でも続けられるかを調べる、といった形です。回答がない項目は不明のまま持ち帰ります。調査に多くの時間を使ったことは、二人分の答えを出す理由にはなりません。
周囲にも、決まっている範囲だけを伝えましょう。「まだ調べているところ」と「引っ越す予定」は違います。交通を調べることに同意を得ただけなら、相手も参加する旅行をそのまま予約しないこと。外部への連絡によって予定が動かしにくくなる前に、その行動に必要な同意を確認します。
賛成している部分と未決定の部分を残す
回答が集まったら、それぞれが受け入れられる次の行動を自分の言葉で伝えます。一人は仕事の話を進めたい、もう一人は街を見に行くことには賛成だが、今の活動をやめるつもりはないかもしれません。その場合、見学には合意していても、一緒に転居することは未決定です。部分的な賛成を、将来の全面的な賛成として扱わないようにします。
ハーバードの実施に関する資料は、合意を実行する段取りを重視しています。見学なら日程だけでなく、交通の手配、二人の都合、予定が変わったときの対応を確認します。知人の家に泊まる案も、本人の返事を得るまでは確定した条件にできません。
期限が来ても、二人の答えを作り上げない
仕事への返事が必要な日までに転居の合意ができなければ、「一緒に引っ越すことは決まっていない」と明確にします。機会を受けるかどうかは本人の選択ですが、それによって相手の転居や家事の引き受けまで決まるわけではありません。別々の生活になる可能性があるなら、その具体的な過ごし方も別に話す必要があります。
現状を続けるにも、住まいや既存の予定がいつまで維持できるか確認が必要です。当面の用事を決めることと、長期の意見の違いが解決することを混同しないでください。双方が望む計画が見つからない場合もあります。話し合いの方法は、その結果を正確に表すためのもので、どの方向にも必ず折り合いがつくという約束ではありません。
行動の直前に読み返し、条件が変わったら確認し直す
最後に、次の行動、担当、時期を二人が同じ意味で説明できるか確かめます。「今週は二つの回答を待つ。住まいは変更せず、返事が来たら次の話し合いを決める」という短い記録でも十分です。見る人は二人で決め、必要な情報だけを残します。記録は、後から考えを伝える機会を奪うためのものではありません。
仕事の開始日が早まった、続けられるはずの活動が続けられなくなったなど、前提が変わったときは、影響する未実行の行動をいったん止めて再確認します。すでに使った時間や発生した費用は事実として扱いますが、以前の同意で新たな負担まで認められたとは考えないこと。変わった部分に絞って、新しい答えを出します。
