厚い1折か、複数の小さな折か?糸綴じ小冊子の選び方
短いZINEや小冊子の場合、折った束がきれいに閉じ、無理なく開き、負担なく縫ったりホチキス留めできたりするなら、1折(折丁1つ)にまとめましょう。紙の束がかさばる、内側のページが外側の縁より大幅にはみ出す、または背が閉じた状態を維持できない場合は、複数の小さな折に分割してください。万人に当てはまるページ数の基準はありません。用紙の厚さ、製本方法、セクションの綴じ方のすべてが影響します。レイアウトを確定する前に、実際の用紙を使って原寸大のダミー(見本)を作成してください。
折(シグネチャ)を分割すると何が変わるのか?
折(折丁/シグネチャ)とは、1つのセクションとしてまとめて折られた紙の束のことです。シンプルな1回折りの小冊子では、1枚の紙から4ページ分が作られ、折られた紙が入れ子状に重なります。複数の折で構成される小冊子は、読書の順序に並べられ、製本の一環として綴じ合わされた独立した折りセクションです。折は物理的な単位であり、必ずしも章と一致するわけではありませんが、一致させることもできます。ビクトリア大学のLEMDOガイドでは、折られた紙がどのように入れ子(gathering)になるかを解説しています。Kumizineのシグネチャガイドでも、ZINEにおける同様の違いについて説明しています。
選ぶ基準は総ページ数ではなく、折られた各束のサイズです。束を小さくすると、1つの折り目に重なる紙の枚数が減り、折り、縫製、断裁、開きやすさのコントロールが容易になります。その代わり、複数の折で構成される小冊子は、分かれたセクション同士をしっかりと結合する構造が必要になります。厚い1折にするのは組み立てがシンプルですが、すべての紙がその1つの束に入れ子になるため、折り目のかさばりやページの競り出し(クリープ)がそこに集中します。
ダミーの仕上がりが良ければ、厚い1折を選ぶ
ページ数の少ない手縫いのパンフレット、小さなZINE、あるいは紙がきれいに折れる中綴じ小冊子の場合は、通常1折にするのが実用的です。折られた紙が1つのユニットになるため、中央の折り目に沿って縫うか、適切な中綴じ設備であればホチキスで留めることができます。また、複数のセクションを結合する際の複雑な縫い方を考える手間も省けます。
ページ数だけで判断しないでください。同じページ数でも、薄くてしなやかな紙と、厚くて硬い紙とでは仕上がりが異なります。商業印刷の中綴じの制限も同様に、用紙や製造設備によって左右されます。印刷所の上限値が、そのまま手作業での製本に適した目標値になるとは限りません。印刷所に発注する場合は、その印刷所の仕様に従ってください。手作りの小冊子の場合は、実際に使用する用紙と表紙で作ったサンプルで判断しましょう。
1つの折り目に無理がある場合は、小さな折に分割する
折った束が勝手に開いてしまう、背が目に見えて丸くなったりかさばったりする、折り目を通して縫うのが難しい、あるいは内側の紙が外側の紙よりも大幅にはみ出す場合は、複数の折に分割することを検討してください。入れ子構造の小冊子では、周囲の紙の厚みによって内側のページが小口(外側の縁)側へと押し出されます。このズレを「クリープ(競り出し)」と呼びます。入れ子にする枚数が増えるほどクリープは顕著になり、ページ番号や枠線などの重要な要素が仕上がり寸法の縁近くにある場合は特に目立ちます。Kumizineによるシグネチャとクリープの解説では、これらの影響と、なぜセクションを小さくすることが有効なのかを説明しています。
分割しても本全体の厚みが減るわけではありません。ページのグループ分けが変わるだけです。また、分割したからといって自動的に強固な製本ができるわけでもありません。複数折の構造には、各セクションを順番通りに保持するための縫製方法やつなぎ合わせの手法が必要です。1つの折り目を縫うだけの単純なパンフレットステッチは、それ単体では任意の数の折を縫い合わせる完全な手法にはなりません。非常にシンプルな構造にしたい場合は、Green Chair Pressで紹介されている2折のアプローチが具体的な選択肢の1つです。その他の構造については、セクション同士をつなぐために考案された方法を選び、その手順に従ってください。
紙のダミーを作って判断する
最終的な面付けや穴あけを行う前に、完成サイズで本の縮小ダミー(束見本)を組み立ててみましょう。本文用紙も表紙用紙も実際に使用するものを使ってください。どちらか一方を変えるだけでも、折りの挙動が変わる可能性があります。
- 予定しているページ数と紙の枚数を数えます。1回折りの小冊子の場合、紙1枚で4ページになるため、24ページの小冊子なら折った紙が6枚必要です。表紙も同じ折り束の一部にする場合は、その枚数も含めて計算します。
- 6枚の紙をまとめて1折として折ります。折り目と端を揃え、無理な力を加えずに束が閉じるか、選択した糸やホチキスで中央の折り目を無理なく綴じられるかを確認します。
- 同じ6枚の紙を3枚ずつの2つの折に分けて、2つ目のダミーを作ります。セクションを予定通りの順序に保ち、採用予定の綴じ方を試してみます。バラバラの折をただ重ね合わせるだけでは、製本のテストになりません。
- 2つのダミーを手にとって比較します。背のかさばり具合、閉じた状態を維持できるか、中央付近の開きやすさ、内側のページが外側のページからどれくらいはみ出しているかを確認します。仕上げで断裁する予定がある場合は、小口付近のテキストや図版の安全マージンに印を付けておきます。
この24ページの例は比較のためのものであり、決まった上限ではありません。6枚をまとめたものがきれいに折れて留められるなら、1折にする方がシンプルで適しているかもしれません。硬すぎたり扱いにくかったりする場合は、選択した製本方法できちんと結合できることを前提に、2つの小さな折に分けた方が扱いやすいでしょう。
印刷前にページ割りの計画を確認する
折られた紙のページ順は、通常の読書順とは異なります。ドキュメント内では通常のページ順序でレイアウトし、その後、構造に応じた折の区切りに対応した小冊子面付け機能を使用してください。複数の折があるプロジェクトの場合は、各セクション内のページ順序を確認してください。本全体を1つの入れ子として面付けしても、個々のセクションが正しく配置されるとは限りません。折を分割すると物理的なページのまとまりが変わるため、各セクションが意図した通りのページで始まり、終わっているかを必ず確認してください。
本番印刷を行う前に、1部折って組み立て、簡単な校正を行いましょう。表紙の向き、ページの順序、空白ページ、見開きにまたがるグラフィックが意図通りに合っているかを確認します。小冊子を断裁する場合は、クリープの影響が最も出やすい最も内側のページの外側余白も確認してください。印刷所に発注する場合は、PDFの入稿形態や、面付けおよびクリープ補正を印刷所側で行ってくれるかどうかを事前に問い合わせてください。
シンプルな判断基準
実際の紙で作ったダミーがきれいに折れ、閉じ、しっかりと固定され、仕上がりの端の揃い具合がデザイン上許容できる場合は、1折のまま進めます。1つの束ではかさばりすぎたり扱いにくかったりする場合は、小さな折に分割し、それらのセクションをしっかりと結合できる製本方法を選んでください。判断に迷う場合はダミーを作って確かめましょう。最終的なページ順序を確定する前に、同じページ数と同じ用紙を使って両方の配置を比較してみてください。
計画を立てる際の実用的な基準は、素材から切り離された単なるページ数ではなく、綴じ方と「1つの折りセクションあたりの用紙枚数」です。実際にテストし、確認した上で、扱いやすい折り心地と確実なページ順序を実現できる構造を選びましょう。
