多色リダクション・リノカット(彫り進み版画)用に別々のデザインレイヤーを転写する方法
リダクション・リノカット用に色ごとのレイヤーを転写するには、まず原寸大のマスター図面を作成し、色ごとの領域をそれぞれラベルを付けた別の用紙にトレースして、固定の見当合わせマーク(レジストレーションマーク)を使用して各転写とすべての印刷を一貫して位置決めします。リダクション版画では1つの版を使用します。1色目を刷り、リノリウムをさらに彫り進め、同じ用紙の上に次の色を刷り重ねます。新しく彫り進めるたびに印刷可能な領域が永久に失われるため、レイヤーの順序を計画し、さらに彫り進める前に試し刷りを残しておきましょう。Leeds Print Workshopのリダクション技法ガイド
リダクション版画における「別々のレイヤー」の意味
リダクション・リノカットにおいて、各色は計画された個別の工程を意味し、別々の版(ブロック)を意味するわけではありません。版を刷り、さらに彫り、再び刷るという工程を繰り返します。最初に彫り落とした領域は用紙の色のまま残り、その後に彫ることで以前の色の領域を保護しながら、次のインクのためのスペースを削り出します。そのため、用紙と版の正確な位置合わせを再現する「見当合わせ(レジストレーション)」が不可欠になります。また、次の工程のために彫り進めた後は、以前の版の状態に戻して用紙を追加印刷することはできません。Handprintedのリダクション・リノカットガイド
もし「別々のレイヤー」が色ごとに1つの恒久的な版を用意することを意味しているなら、それは多版(マルチブロック)技法であり、別の転写や見当合わせの計画が必要です。ここで紹介する手順は、単一の版を使用するリダクション(彫り進み)技法を対象としています。
マスター図面を作成し、色をマッピングする
最終的な完成イメージを、リノリウム版とまったく同じ実寸サイズで描きます。どの形状がどの色に該当するかをマークし、印刷順序に番号を振ります。重なり合う形状として判別しやすいように、デザインは十分にシンプルなものにとどめてください。小さな隙間、細い輪郭線、ごく小さな孤立部分は、正確に彫ったり位置を合わせたりするのが難しくなる場合があります。最初の彫りで白(用紙の色)のまま残す領域を決めておきましょう。今彫り落とすということは、一連の印刷プロセス全体を通してインクが乗らない状態が続くことを意味します。
色が重なって印刷されたときに理にかなった順序を選択してください。一般的な計画では、明るい色から暗い色へと進めます。暗いレイヤーの上に薄いレイヤーを重ねて印刷しても、きれいに隠蔽できない場合があるためです。これは実用的な目安であり、確実な保証ではありません。透明インク、用紙の色、選択した色調によって結果は変化します。同じ用紙に小さなカラーテストや試し刷りを行い、各レイヤーがどのように影響し合うかを確認してください。Leeds Print Workshopでも、暗い色や不透明な色の前に、明るい色や透明な色を計画することを推奨しています。同ワークショップのガイド
各色を独立した転写用シートとしてトレースする
マスター図面の上にトレーシングペーパーを置き、第1工程に必要な形状をトレースします。それ以降の各工程についても、新しい用紙を使って繰り返します。すべての用紙にレイヤー番号と色名をラベル付けし、図面が回転してしまわないよう明確な「上(天)」のマークを付けておきます。トレースした用紙の横に、着色した参照用の図面を置いておきましょう。トレーシングペーパーは何を転写すべきかを示し、参照図面はその工程の仕上がりがどう見えるべきかを思い出すのに役立ちます。Sarah Ransomeのガイドでも同様に、色ごとに個別のトレーシングを用意し、レイヤーごとに用紙にラベルを付けることを推奨しています。リダクション・リノプリントの制作方法
転写する前に、トレースを用紙とマスター図面と照合して確認します。重なり合いはすべて意図通りになっているか、画像全体を通して連続すべき形状はきれいに揃っているかなどを確かめてください。印刷時の鏡像反転を考慮しましょう。図面を直接リノリウムに転写すると、印刷された画像は左右が反転します。文字やレタリング、その他の方向性のある細部を写す前に、向きを決定してください。Handprintedも、リダクション・リノカットの手順の中でこの反転について注意を促しています。Handprintedの工程解説
印刷前に見当合わせ(レジストレーション)を設定する
版を彫る前に見当合わせの方法を決めておきます。シンプルな手刷りのセットアップの場合は、丈夫な紙や厚紙を使って見当合わせ用シート(ジグ)を作ります。リノリウム版を印刷位置に置き、その輪郭をなぞり、コーナーマークなどの再現可能なストッパーを付けて用紙の位置をマークします。ジグと版の両方に「上(天)」の印を付けます。印刷用紙はすべて同じ寸法に揃え、向きも統一して準備してください。Leedsのガイドでは、版の周囲をなぞり、その中心と角に印を付け、それらのマークを利用して版と用紙の両方を位置決めする方法が説明されています。Leeds Print Workshop
より再現性の高い位置決めを行うには、見当合わせ用ピン(レジストレーションピン)とそれに対応する用紙用タブを使って、固定されたボードに対してシートを位置決めすることができます。ピンは固定されたままで、各用紙にタブが取り付けられるため、後の刷り重ねでも各用紙がまったく同じ位置に戻ります。このアプローチはHandprintedとSarah Ransomeの両方で説明されています。Handprinted、Sarah Ransome
どの方法を採用するにしても、損紙(試し刷り用紙)を使ってテストしてください。版を動かさずに、用紙を配置し、印刷し、持ち上げ、再び戻す動作を数回繰り返します。用紙がずれたりマークが見えにくかったりする場合は、この段階でストッパーを調整します。見当合わせのジグは、版と用紙が毎回まったく同じように定位置に戻ることで初めて役に立ちます。
第1段階を転写してエディションを刷る
最初のトレースをリノリウムに転写し、その天マークと端を版と合わせます。図面の向きを確認したら、用紙の色のまま残す領域のみを彫ります。ジグを使用して、用紙のセット全体にインクを乗せて印刷します。次の刷り重ねの際にも同じ見当合わせの状態で戻せるよう、各用紙は積み重ねの順序や乾燥順を揃えて管理してください。目標とする完成枚数がある場合は、数枚多めに刷っておきましょう。インクのムラや位置ずれによって何枚か失敗する可能性があります。Handprintedは、版をさらに彫り進めた後は元に戻せないため、次の工程に進む前にエディション全体(全枚数)を印刷しておくよう助言しています。Handprinted
位置合わせを維持しながら以降の段階を転写する
1色目が終わったら、対応するトレースを使用して次の色の領域を特定します。転写する前に、同じ天マークと端の基準線にトレースを合わせます。リダクション技法では通常、すでに印刷された色を残したい領域を彫り落とし、次のインクを乗せる凸面を残します。彫る前に、ラベル付けしたカラーマップと意図した結果を照合して確認してください。参照用の印刷物は、どの領域を保護しなければならないかを把握するのに役立ちます。計画された色ごとに、転写、彫刻、インキング、印刷の一連の流れを繰り返します。
次の工程を用紙セット全体に進める前に、損紙を使って試し刷りを行ってください。凸面が期待通りの位置に印刷されているか、彫った領域に不要なインクが付いていないか(削り残しがないか)を点検します。転写ミスが見つかった場合は、エディションの本刷りを行う前に修正してください。次の工程を一度彫ってしまうと、前の版の状態で欠落した領域を復元することはできません。Handprintedでは、彫り残して取り除く必要のある領域を見つけるため、最終彫刻段階で損紙による試し刷りを行うことを特に推奨しています。Handprinted
転写や見当合わせでよくあるトラブルの解決策
特定の色が一貫してずれている場合は、通常、見当合わせに問題があります。用紙が異なる端に当てられていたか、版が動いたか、あるいは用紙が均一なサイズに裁断されていなかった可能性があります。次の刷りに進む前に、天マーク、ストッパー、用紙の向きを再確認してください。一部の用紙だけがずれる場合は、タブや用紙の端が滑っていないか点検してください。
色の工程間で転写された図面がずれていくように見える場合は、異なる基準端からトレースされたか、誤ってサイズが変わってしまった可能性があります。マスター図面と各層のトレースは一緒に保管し、元の縮尺を維持して、同じ基準マークを使って位置を合わせてください。それでもわずかな位置ずれが残る場合は、デザイン内の細い境界線や極小の囲み形状を単純化してください。ゆとりのある重なりを持たせた領域のほうが、繊細な境界線同士の接合部よりも扱いやすくなります。これらは、引用したガイドに記載されている見当合わせ方法から導き出された実践的な予防策です。
彫刻前の最終チェックリスト
最初の彫りを入れる前に、マスター図面が原寸大で正しい向きになっていること、各色に番号付きの個別のトレースがあること、色の順序が決まっていること、そしてすべての用紙が見当合わせの器具に適合していることを確認してください。以降の各彫刻の前には、現在の印刷物とカラーマップを比較し、どの領域にこれまでの色を残さなければならないかを確かめ、損紙で試し刷りを行ってください。リダクション版画では制作が進むにつれて版が恒久的に変化していくため、転写と確認を明確な順序で行うことが最も有効な安全対策となります。
