長年の日記を読みやすい閲覧用EPUBにまとめる方法
長年書き溜めた日記を電子書籍リーダーで読み返したい場合は、まず日記データをエクスポートし、そのエクスポートファイルをバックアップとして変更を加えずに保管してください。そのうえで、日付を明確にした閲覧用の別コピーを作成し、年月ごとにエントリーを整理してEPUBに変換します。日記アプリの元データと添付ファイルは必ず一緒に保管しておきましょう。EPUBは可読性のあるテキストや含まれる画像を整理するのには適していますが、アプリ独自のすべてのタグ、音声ファイル、メタデータ項目まで保持できるとは限りません。このガイドは、自身のエクスポートした日記から目次移動(ナビゲーション)ができる閲覧用EPUBを作成する手順に焦点を当てています。
閲覧用コピーを作成する前にオリジナルを保存する
日記アプリ独自のエクスポート機能を使用してエントリーを出力し、編集や変換を行う前に、バックアップされた安全な場所に保存してください。写真、音声、その他の添付ファイルも、可能な限りアプリのフォルダー構造を維持したまま、そのエクスポートデータと一緒に保管します。エクスポートした日付や、アプリで設定項目があった場合はどのオプションを選択したかも記録しておきましょう。こうしておくことで、EPUB側でアプリ固有の詳細情報を保持できなくても、後からファイルの内容を正しく把握しやすくなります。
実際の作業は、エクスポートデータのコピーに対して行います。まずは少数のエントリーを確認し、日付、タイトル、本文、画像、タグ、リンクなど、どの項目がエクスポートファイルに含まれているかを把握しましょう。出力形式はアプリによって異なるため、どのアプリでも同じ項目や添付ファイルの仕様になっているとは限りません。エントリーが複数のファイルに分かれている場合は、結合する前に日付や見出しが判読できる状態か確認してください。
記憶の呼び起こし方に合った階層構造を選ぶ
使いやすい標準的な構成は、年ごとに1つのセクションを設け、その下にサブセクションとして月を配置し、さらにその下に各エントリーを並べる形です。たとえば、架空のエクスポート例であれば「2023年」→「3月」→「2023-03-14 — 初めて暖かくなった夕方」のようになります。エントリーが月の見出しの下にある場合でも、各エントリーの見出しには完全な日付を残しておきましょう。「年-月-日」のあいまいさのない形式で日付を記載しておくと、並び順が一貫し、流し読みもしやすくなります。
ある月に数件しかエントリーがない場合でも、その月の見出しは残しておくことをおすすめします。目次を短くすることよりも、規則的で予測しやすいナビゲーションであることの方が実用的だからです。アーカイブが膨大で、単一のファイルでは開くのやページ移動が重くなる場合は、年ごとに1つのEPUBを作成してください。これはフォーマット上の制約ではなく、実用的な整理のための選択肢です。
変換前に読みやすいソースドキュメントを作成する
使用する変換ツールが認識できる形式でドキュメントを作成または準備し、見出しを一貫して設定します。たとえば、年の見出しをあるレベルにし、その下に月の見出し、さらにその下に各エントリーのタイトルを配置します。エントリーの見出しには日付と元のタイトルを含めてください。ページをスクリーンショットなどの画像にして1枚にまとめるのではなく、テキストデータとして保持します。そうすることで検索性が保たれ、対応するリーダー端末で文字サイズの変更が可能になります。
Calibreでは、入力をXHTMLに変換してから出力フォーマットを生成するパイプライン処理について説明されており、構造の検出機能を使って目次を構築できるとされています。また、変換結果は入力形式によって異なることへの注意もマニュアルに記載されています。実際には、余計なものがなく一貫して設定された見出しを用意することで、変換プロセス側でより有用な構造を把握できるようになります。すべての見出しが正しく検出されたと思い込まず、生成されたナビゲーション(目次)を必ず確認してください。詳細は[calibreの電子書籍変換ドキュメント](https://manual.calibre-ebook.com/en/conversion.html)を参照してください。
写真とリンクの扱い方を決める
エントリーの内容を特定したり理解したりするのに役立つ画像を含め、必要に応じて簡単なキャプションや代替テキストを追加します。EPUB内に画像のコピーを配置する場合でも、元の添付ファイルは必ずバックアップ内に残しておいてください。画像が大きすぎたり枚数が多すぎたりすると、ファイルサイズが重くなり表示に影響を与えることがあるため、オリジナルは別に保管したうえで、快適に読めるサイズにリサイズしたコピーを使用することを検討しましょう。EPUBはHTML、CSS、画像などのパッケージ化されたWebコンテンツをサポートしていますが、リーダー端末によって挙動が異なる場合があります。[W3C EPUB 3.3 仕様](https://www.w3.org/TR/epub-33/)はフォーマットを定義するものであり、すべてのデバイスでまったく同じ表示になることを保証するものではありません。
あるエントリーから別のエントリーへリンクしている場合は、リンク先を実際に見出しやセクションとして作成し、変換後も正しくリンクが機能しているか確認してください。日記アプリ、非公開のWebビュー、外部ログインに依存するリンクは、オフラインでは機能しない可能性があります。文脈上重要なURLはテキストとしてそのまま残し、EPUBでは表現できないアプリ固有のリンクやメタデータについては、元データのエクスポートを保管しておくことで担保しましょう。
EPUBの変換、検証、修正を行う
Calibreに準備したソースドキュメントを追加し、出力形式としてEPUBを選択したら、構造や目次生成の変換設定を確認します。変換結果をEPUBビューアで開き、目次パネル、最初期と直近の年、月の切り替わり部分、長文のエントリー、画像、内部リンクなど、複数の箇所をチェックしてください。見出しの抜けや重複、不自然な改行による日付の分断、画像の表示崩れ、リンク先の間違いなどがないか確認します。問題があればソースや変換設定を修正し、再生成してもう一度確認しましょう。
EPUBファイル自体を直接検証・編集したい場合は、EPUBエディタであるSigilを利用できます。Sigilのユーザーガイドプロジェクトでは、生成されたEPUBがエラーなくバリデーションを通過することを確認するよう指示されています。バリデーションは有用な構造チェックとして役立ちますが、これだけでリーダー端末上で正しく表示されることが保証されるわけではありません。詳細は[Sigil User Guide project](https://github.com/Sigil-Ebook/sigil-user-guide)を参照してください。
最後に、デバイスが対応している転送方法を使って、対象の電子書籍リーダーにファイルを転送して開きます。実機上でナビゲーション、文字サイズ、画像、いくつかの内部リンクをチェックしてください。EPUBは標準規格ですが、すべての電子書籍リーダーがEPUBファイルを直接扱えるとは限りません。対応フォーマットや転送手順については、お使いのデバイスの最新のドキュメントを確認してください。もしEPUBに対応していない場合は、元データのアーカイブを保持したまま、閲覧用コピーとして対応する形式へ変換し、再度実機での目視確認を行ってください。
