両方の表紙から読める2話構成ZINEのレイアウト方法
両端に異なるストーリーを配置したZINEを作成するには、まず2冊の短い小冊子を通常の読む順序でデザインし、それらを1つのページシーケンスにまとめます。1つ目のストーリーは正しい向きのままにし、2つ目のストーリーのページは逆順にして180度回転させて配置します。外側の両端がそれぞれ表紙になります。読者は一方のストーリーを読み終えると、ZINEを上下逆にひっくり返してもう一方のストーリーを読み始めます。この天地逆転の形式は「テート・ベーシュ(tête-bêche)」と呼ばれます。印刷用の面付けを行う前に、読書順序を確認しておくことが重要なポイントです。
まず2つの読書ルートを計画する
まずは、読者がどちらかの表紙を手にとったときに何が見えるかを決めることから始めます。それぞれのストーリーに専用のタイトルページまたは導入部、わかりやすいページめくりの順序、そしてZINEの中央で終わる結末を設けます。ストーリー同士でテーマやビジュアルスタイルを共有しても構いませんが、それぞれが単独で読んでも成立するようにしてください。
ストーリーA用とストーリーB用に、小さなページマップを2つ作成します。表紙や意図的な空白ページを含め、読者がページをめくる順序で各マップに番号を振ります。これは編集用の順序であり、統合ファイル内での並び順ではありません。執筆やデザインを行っている間は、この2つのマップを別々に分けて管理してください。各ストーリーに独自の順序があるほうが、抜け落ちたページを見つけやすくなります。印刷の専門家は、2つのタイトルを別々に準備し、2つ目のタイトルのページを回転・逆順にしてから統合することを推奨しています。Colecandooのテート・ベーシュ原稿作成ガイド
製本方法に合ったページ数を選択する
2つ折りの中綴じ小冊子の場合、通常、総ページ数は4の倍数である必要があります。折られた用紙1枚につき4ページ分となるためです。そのため、選んだ折丁(シグネチャ)に収めるために、短いストーリーには空白ページを入れたりコンテンツを少し追加したりする必要がある場合があります。印刷サービスを利用する場合は、用紙サイズ、製本方法、製造工程によって設定が変わることがあるため、印刷所の要件を確認してください。
計画に役立つ例:各ストーリーに表紙を含めて8ページが必要だとします。統合したZINEは16ページになります。ストーリーAが統合ファイルの1〜8ページを占める場合、ストーリーBは統合ファイルの9〜16ページを占めることになりますが、その内容は逆順に配置し、回転させる必要があります。完成したZINEを上下逆にひっくり返すことで、その2つ目のシーケンスが自身の表紙から中央に向かって読めるようになります。これはあくまで計画モデルです。特定のページ数と製本によって中央でどのように合わさるかを確認するために、紙のダミー(束見本)を作成してください。
ストーリーの長さが異なる場合は、余分なスペースを埋める前に中央の処理を計画してください。意図的な空白ページを追加したりレイアウトを調整したりして、文章や画像、セクションが中途半端なまま途切れてしまわないようにします。全体のページ数の計算が合っているからといって、中央部が自動的に意味のある2つの結末の間に収まると思い込まないように注意してください。
作業ファイルは読書順のままにしておく
各ストーリーを、仕上がりサイズで個別のドキュメントまたは明確に分けられたページ範囲として設定します。ストーリーAが表紙から最終ページまで進み、ストーリーBも同様になるように、ページは通常の読書順序のままにしておきます。これにより、編集作業が容易になり、ページ番号や見開きに関する混乱を減らすことができます。
ストーリーが完成したら、統合シーケンスを作成します。ストーリーAのページは順番通りにしておきます。ストーリーBについては、ページ順を反転し、すべてのページを180度回転させてからストーリーAの後ろに追加します。統合されたドキュメントを通しで見ると違和感があるはずです。2つ目のストーリーが上下逆さまで後ろ向きになっているからです。それは想定通りの状態です。読者がZINEを回転させると、それらのページは正しい向きになり、順序通りに読めるようになります。Colecandooでも、テート・ベーシュ形式の本における2つ目のタイトルに対して同様の変換処理が説明されています。テート・ベーシュ本向けの原稿作成
両端に本物の表紙を設ける
統合ファイルの最初のページはストーリーAの表紙になります。最後のページはストーリーBの表紙になるため、ZINEをひっくり返したときにそのストーリーの読書方向に合う向きにする必要があります。デザイン上、どちらも表紙として扱ってください。それぞれにタイトル、明確なオープニング画像や視覚的な手がかり、そして読者にどちらのストーリーから読み始めているかを伝えるのに十分な情報を設けます。
中央のページも意図を持ってレイアウトしてください。ストーリーAの最終ページとストーリーBの最終ページは、中央の境界で合わさります。1枚の連続した画像にする必要はありませんが、色、共通のモチーフ、あるいは共通のフレーズなどによって響き合わせることは可能です。どちらのルートから進んでも、予期せぬ空白や不自然な続き方ではなく、きちんと結末に到達することを確認するためにページマップをチェックしてください。
印刷用に統合ファイルを面付けする
面付けとは、印刷して折った後に正しい順序になるよう、読書順のページを印刷用紙上に配置する作業のことです。その作業はテート・ベーシュの回転処理とは分けて考えてください。まず正しい統合読書シーケンスを作成し、その後に印刷ソフトウェアの小冊子印刷や面付け機能を使用します。Adobeでは、小冊子の面付けを行うことで、ドキュメントのページを通常の読書順序のまま保ちつつ印刷用見開きを作成できると説明されています。Adobe InDesign: 小冊子印刷用ドキュメントの面付け
ページを手作業で印刷用見開きに並べ替えた上で、さらに小冊子設定をオンにするようなことは避けてください。ページが二重に面付けされてしまう可能性があります。読書順のPDFと面付け済み見開きのどちらが必要かについては、印刷所の指示に従ってください。自宅で印刷する場合、事前に面付けされたZINEのPDFは、小冊子設定をオフにして通常の用紙として印刷することもあります。適切な選択は、手元にあるファイルとプリンターのワークフローによって異なります。Zine Studioの印刷ガイド
紙のダミー(束見本)でページ順序を校正する
部数をすべて印刷する前に、低コストな校正刷りを作成してください。統合したページを小さいサイズで印刷またはスケッチし、各ページに番号と明確な上端の印を付け、予定している製本方法で折って重ねます。ストーリーAを表紙から読みます。結末まで読んだら、小冊子全体を上下逆にひっくり返し、ストーリーBを表紙から読みます。ページ順、向き、表紙、中央の切り替わり、そして両方のルートにおける空白ページの有無を確認します。
両面印刷の場合は、プリンターが用紙をどのように反転して給紙するかも確認してください。テスト印刷用紙を用いれば、裏面が正しい向きで適切な位置にあるかどうかがわかります。Adobeでは、特定のプリンターにおける向きと給紙方向を判断するためにテストドキュメントを使用することを推奨しています。Adobe InDesign小冊子印刷の手順 ダミーの順序が間違っている場合は、印刷設定を変更する前に統合ページシーケンスを修正してください。シーケンスは合っているのに裏面が逆さまになっている場合は、両面印刷の向きの設定や用紙のセット方向を確認してください。
最終チェックリストを実行する
書き出しを行う前に、各ストーリーに個別の表紙と最初から最後までの完全な読書ルートがあるか、統合ファイル内で2つ目のストーリーのページが反転かつ回転されているか、総ページ数が選択した製本方法に合っているか、空白ページは意図的なものかを確認します。その後、各表紙で小冊子を実際に手で回転させながら、面付け済みバージョンまたは印刷されたバージョンを校正します。画面上のプレビューだけでは、用紙が意図通りに折られて重ね合わさるかを確認することはできません。
